トム・ダウド いとしのレイラをミックスした男

最近ツタヤDISCASのDVDレンタルを使い始めまして、ここは音楽モノのDVDもそこそこ揃っていてとてもいい感じ。今回見たのはアトランティックレコードのエンジニア、トム・ダウドのドキュメント。おそらくエンジニアとして初めてアルバムのクレジットに名前を探されるようになった人。
 
サザンロック、南部R&Bを好きならたまらないエピソードがいっぱいですが、印象に残ったシーンのひとつにビートルズとのエピソードがありました。
1967年にビートルズのプロデューサーであるジョージ・マーティンに会った時、彼らが8トラックレコーダーについてほとんど知識がないのに驚いた、俺達は10年前から使っていたのにという話。
 
当時のビートルズは基本的に4トラックで、これを2台シンクロさせてピンポン録音をしてました。このころのステレオ盤の不思議な音の定位はこれの副産物。8トラックを初めて使ったのはAbbey Roadだったはず。
 
ただ、ビートルズのすごいのは機材がボロくてもあれだけの作品を作ってしまったことで。ピンポン録音は一度音を重ねてしまうと後戻りができないので、あらかじめ完成形の音をイメージして作業をしていかなければいけない。これが死ぬほど大変で、僕も学生時代は4トラのカセットMTR宅録をしていたのですが、なかなか思い通りにならず苦労しました。8トラ使ってる人が本当にうらやましかった。最近はデジタルの16トラックレコーダーが高校生でも買える位ですが、まぁ機材がいくらよくても優れた音楽が作れるわけではないですな。
 
トム・ダウド いとしのレイラをミックスした男
トム・ダウド マーク・ハーモン レイ・チャールズ
B000H30HRQ

 
思えば、僕にとってのトム・ダウドはここからでした。
 
アトランティック・クロッシング
ロッド・スチュワート
B000AU1J4G